これからのARはDepthがポイント!AppleやGoogleのAR動向から見る業界トレンドとは?

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Appleが先日ARのプラットフォーム「ARkit」を発表して、大いに話題となりました。しかし、そのライバルともいえるGoogleもTangoを始めとしたARプラットフォームにはすでに着手しており、その他のベンチャー企業もAR(拡張現実)開発には気合をいれている昨今です。

何やら”AR元年”の機運が改めて高まっていますが、いままでもARアプリは普通に存在していましたし、Pokemon GOといったアプリは、爆発的なヒットを集めるなど、技術的には陳腐化しつつある気もしますよね。

しかし、AppleやGoogleなどが開発プラットフォームとしているAR(拡張現実)には、大きな技術的革新があります。

それはDepth(深度)を取り入れる、ということ。

これだけ聞いても「うーん、わからん」という感じですので、少し説明していきましょう。

いままでのARは平面情報が主、これからは立体情報がトレンドに!?

ここまでAR(拡張現実)のこれからはDepthだ!と宣言していますが、あくまでAR(拡張現実)業界にいるなかでの個人的推測であることは、今のうちに補足しておきます。

さて、Depth(深度)がなぜそんなに可能性があるのか?それは、今までのAR(拡張現実)の技術的な基礎と、今後のAR(拡張現実)のトレンドをしっかりと知る必要があります。

従来のARは、「イメージベースドAR」もしくは「ロケーションベースドAR」

まず、今までのAR(拡張現実)コンテンツは、平面的な情報が主となっていました。具体的に言うと、イメージベースドARと呼ばれる平面の画像を認識し、ユニークなID情報と捉えたうえで、そこに紐づくコンテンツを表示する、というものです。

例えば、

  • カードにスマートフォンのカメラをかざすと3Dのキャラクターが現れる
  • 教科書にスマートフォンのカメラをかざすと、関連する動画が見れる
  • ポスターにスマートフォンのカメラかざすと、限定コンテンツが見れる

というのは、上記のイメージベースドARによる技術からなるコンテンツの一例です。

また、Pokemon GOなど、自分の現在地によって情報を紐付けるAR(拡張現実)のことを、ロケーションベースドARを呼びます。

ロケーションベースドARは、衛星からの現在地座標を起点とし、その情報に紐づくコンテンツを表示します。

例えば、

  • 自分の家にポケモンが出現して、捕獲する
  • ある場所に旅行すると、限定コンテンツが見れる
  • キャラクターが現在地によってナビゲーションしてくれる

などといったARコンテンツは、位置情報をもとにコンテンツを表示しています。

未来のARはDepth(深度)情報で、圧倒的リアリティを実現する!

このように、主なARコンテンツは、「イメージベースドAR」「ロケーションベースドAR」の2つの技術によって生み出されており、このARコンテンツをいかに楽しく、体験価値を高めていくか、という部分はコンテンツメイクの領域になっていきます。

さて、前置きが長くなりましたが、ここにDepth(深度)が加わるとどうなっていくんでしょうか?

Depthは、デプスと呼び、簡単に言うと、現実空間における奥行きを把握する情報です。奥行きを把握することは、私たちも日常よくやりますよね。

例えば、

  • 物をつかむ
  • 人にぶつからないように歩く
  • 任意の位置に物を置く

などなど、肉眼で見た情報のなかには、物の位置や高さなど、様々な情報が無意識に認識されているため、私たちは日常生活を行えているわけです。

そんなDepth情報を取得できると、AR(拡張現実)コンテンツは、飛躍的にリアリティを増したコンテンツになります。

スマートフォンなど認識するデバイスの進化が前提になりますが、肉眼と同じ機能を持てば、画面上に合成されるARコンテンツは、その空間において違和感なくとけこんでいくのです。

AppleやGoogleなどから、Depth情報を活用したARの片鱗が!

先日のAppleのデモンストレーションにもありますが、コーヒーカップが机の上にしっかりと配置されているように見えると思います。これもリアルタイムにDepth情報を取得することで、よりリアルに配置することができます。

また、Magic Leap社のデモンストレーション動画には、現実空間に配置された家具などの向こう側にARコンテンツが配置されている、といった、「現実空間の影に隠れるAR」というものも実現可能になるわけです。

GoogleもTangoと呼ばれるプロジェクトでは、デモンストレーション内で実空間を歩くと、それに応じてコンテンツ描写もリアルに変化していく様子を見ることが出来ます。

いままでのAR技術では、どうしても現実空間のオブジェクトは認識できないため、現実空間上のAR(拡張現実)コンテンツは”浮いて見えてしまう”ことが多かったと思います。

しかし、このDepth情報を取得するAR技術が一般化すると、

  • 木の陰に隠れたり、本当にポケモンがそこにいるかのようなPokemon GOが実現
  • オフィス内のレイアウトを一瞬でリニューアルする新世代の家具シミュレーター
  • 圧倒的リアリティで体験できる拡張現実ゲーム

など、より体験価値の高いARコンテンツが開発できるようになるはずです。

おそらく、まだまだそのようなAR(拡張現実)をスムーズに体験できるデバイスが普及していないため、一般化することは未来の話です。

ただ、技術的には実現できているため、近い将来、デバイス越しにあらゆるモノがまるで現実空間に存在しているかのようなAR(拡張現実)を体験できる世界がやってくるでしょう。


ABOUTこの記事をかいた人

タカハシリョウ

1988年生まれ。2011年に独立、最先端技術からアナログ技術を結ぶクリエイティブを提案。主な事例として、サンシャイン水族館「ペンギンナビ」においては、カンヌライオンズ(旧:カンヌ広告祭)での最高賞であるゴールド受賞。 その他に、朝日新聞AR広告プロジェクト、スターバックス・コーヒージャパン 「清川あさみコラボキャンペーン」、HISプロモーションJリーグ様「ヤマザキナビスコカップ2012ARプロモーション」、積水ハウスARプロモーション、サンライズ ガンダム35周年「ガンダムUC」プロモーション、松竹「クロユリ団地」公開記念プロモーション等、多数のプロモーションを手がける。 【受賞歴】 Cannes Lions 2013,2014 - Gold / Silver /Bronze ADFEST 2014 – Silver LOTUS Spikes Asia 2013 – Silver